【私が影響を受けたおすすめ本③】60選 第2期 24~29歳(B社本社勤務~転職したN社)
公私ともに大人にならないといけなくなった頃
ある意味、お気楽一辺倒の生活がすべて崩れたのがこの時期です。
まず仕事ではB社の本社勤務となり、社長直轄の特別部署へ配属されました。
配属初日に人事部長から言われた事は、
「髪を短く切って来るまで出社しないでいい(営業の時長く伸ばしていたので)」
「自分の全てを仕事に集中させ、それ以外は考えるな」
「38度までは病気ではないから絶対休むな」
「社長直轄の部署だから全社の範となれるよう努力しろ」
というものでした。
という事で、私の本社勤務の初仕事は散髪屋さんに行って髪を短く切る事でした。
営業時代にダレていたんだという恥ずかしさと、それを厳しく端的に指摘された悔しさで、中途半端に切る気にはなれず、スポーツ刈りにして本社に戻りました。
激動の本社勤務の幕はこうして落とされました。
今の時代からは考えられない事ばかりですが、これが本社の常識で歯向かう事は許されないんだというのは、すぐ理解しました。
朝早くから夜遅くまで、体力の限界まで会社にいる生活、帰宅してからも読むように指示された本に目を通す生活が始まりました。
その上、社長のお供でフィリピンバーへ連れて行かれ、そこでも仕事の話をされるので、ひたすらメモを取り続け、解放されるのは毎晩深夜でした。
この社長からこの本を読めと言われるときには、一つのパターンがありました。
それで、次の日朝一で「読んだか?」と確認されます。
前の夜遅くまでフィリピンバーにいたんですから読めるわけがないのですが、「すみません。まだ読んでません。」と答えると、
「何してるんだ。すぐ買って来い。」で、書店に走るという事が月に何度もありました。
こういう生活が退職するまで約3年半続きましたが、本当に多くの本の存在を教えていただきました。
当時は感謝の気持ちは少なかったように思います。とにかく恐ろしく頭が切れる厳しい方でした。
今思うに長いビジネス人生を何とか潜り抜けて来られたのは、ほぼ全て、この時教えてもらった本のおかげだと言っても過言ではありません。
公私ともに変革のとき 転勤→結婚→父親→転職→住宅ローン
プライベートでも大きな変化があった時期です。まず24歳で結婚して伴侶ができ、ほどなくして長女が生まれ、私は25歳で父親になりました。
少し前まで、100%自分のやりたいようにやっていた生活が真逆になり、公私ともに自分以外を優先しなければならない環境に変化しました。
あまりの変わりように適応できず妻にあたった事が何度もありました。
その度に耐えてくれたんだなと、感謝しています。
当時の私が、どうしようもなく自分勝手で尊大な人間だった事を深く反省しています。
穴があったら入りたいとはこの事です。
ど田舎生まれの自分勝手な人間が、会社と家庭両方で、人間として最低減身につけないといけない常識を勉強させてもらった時期です。
具体的に教えてもらった本は、ドラッカー、田岡信雄、一倉定などの経営書、松原泰道の仏教書、森本哲郎、立花隆、小室直樹、渡部昇一、山本七平、西澤潤一などの教養書です。
大学が農学部でしたから経営関係の知識はゼロでしたから、すごく勉強になりました。
ただB社では、勉強した内容を実戦で試す機会は訪れませんでした。
その前に転職を決意したからです。
B社では、本当にいろいろな勉強をさせてもらい、それは感謝しているのですが、
どうしても我慢できない事が起こり、このままは続けられないなと27歳の時退職を決意しました。
私の退職した8年後に、社長が急逝されたとB社の同期から聞かされました。
本当に社長らしい壮絶な亡くなり方だったと聞いています。
B社の本社勤務の期間は、私のビジネス人生にとってかけがえのない知識や経験をもらった時期です。今では、感謝に堪えない気持ちです。
プライベートの読書についても、傾向が大きく変わりました。あれだけ好きだったはずの純文学は次第に読む気がしなくなり、代わりに動物関連・移民関連の本をよく読みました。
と言っても、ビジネス書最優先の時期でしたから、読む量は激減しています。シートン動物記を代表とした動物文学は、動物の孤独さについて共鳴しました。荒涼とした自然の中での孤独感やそれでも懸命に生きようとする姿に惹かれました。移民関係の本も同じです。知らない土地で懸命に生きる日本人の姿に力づけられました。
27歳後半で東京のN社に転職し、神奈川に引っ越しました。
で、28歳で長男が生まれ、29歳でマンションを買い借金を背負う事になりました。
ちょうどバブルの真最中です。
まず都会の環境に慣れるのに時間がかかりました。
地下鉄に乗るのが怖くて、どこに行くにも徒歩で移動していました。
通勤電車のつらさもありましたが、一番混乱したのはB社とN社の社風の違いを理解し慣れる事でした。
謹厳実直一筋のB社の本社に比べるとN社はすごくいい加減で、社員もどうやってサボろうかだけを考えているように感じました。
なのにB社よりも断然給料が高くなり、私の年収は倍以上になりました。
どうしてなんだろう、という疑問についての納得できる答えをなかなか見つけられませんでした。
ようやくN社での職務内容にも慣れ、理解が深まる程に事業チャンスが多い事に気づきはじめた頃、私は30歳を迎えました。
ジャンル | 作者 | タイトル | 出版社 |
経営 | ドラッカー | 経営者の条件 | ダイヤモンド社 |
創造する経営者 | ダイヤモンド社 | ||
マーケティング | 田岡信夫 | ランチェスター戦略 | サンマーク出版 |
会社数値 | 協和発酵 | 人事屋が書いた経理の本 | ソーテック社 |
社会学 | 山本七平 |
人望の研究 |
祥伝社 |
空気の研究 | 文春文庫 | ||
林達夫 | 共産主義的人間 | 中公文庫 | |
小室直樹 | 危機の構造 | 中公文庫 | |
立花隆 | 田中角栄研究 | 講談社文庫 | |
知のソフトウェア | 講談社現代新書 | ||
渡部昇一 | 知的生活の方法 | 講談社現代新書 | |
板坂元 | 考える技術・書く技術 | 講談社現代新書 | |
森本哲郎 | 日本語表と裏 | 新潮文庫 | |
ゆたかさへの旅 | 角川文庫 | ||
西澤潤一 | 独創は闘いにあり | プレジデント社 | |
十年先を読む発想法 | 講談社文庫 | ||
仏教 | 松原泰道 | 般若心境入門 | 祥伝社黄金文庫 |
こころの開眼 | 集英社文庫 | ||
人生の極意 | PHP文庫 | ||
父親になった時読む本 | 椎名誠 | 岳物語 | 集英社文庫 |
移民をテーマにした小説 | 北杜夫 | 輝ける碧き空の下で | 新潮社 |
石川好 | ストロベリーロード | 文春文庫 | |
動物をテーマにした小説 | シートン | シートン動物記 | 集英社文庫 |
ジャック・ロンドン | 白い犬 | 新潮文庫 | |
戸川幸夫 | 高安犬物語 | 新潮文庫 |
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第1期
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