【私が影響を受けたおすすめ本④】60選 第3期 30歳~50歳(N社・W社)
本で学んだ事を徐々にビジネスの現場で実践できるようになった時期
B社で勉強した事を実践する場を求め、自分なりの新事業についての具体的なイメージを考えるようになりました。
この時特に参考にしたのが「ランチェスター戦略」でした。
実際に市場を歩いて、具体的なチャンスを探し、どう攻略するかについては、本で確認して、<企画書>を練り上げて行きました。
その上で新規事業をやってみたいと手を上げ、挑戦するチャンスをもらう事に成功しました。
やってみると次々に商品が当たり、面白いように業績は伸びて行きました。
が、組織作りには失敗したと思います。
当時の私は、成果だけを気にしてピリピリしていて、それ以外の事は一切気を配っていませんでした。
一緒に働いている人が、何を考えているかには目もくれず、一心不乱に事業を推進する尖った嫌な奴だった、という事です。
やはり自己中心的な子供で、大人にはなり切れていませんでした。
事業は拡大し続けていますから、いつも多くの仕事を抱えているので、メンバー全員残業が多くなり、恒常的に人が足りず、忙しいばかりで余裕のない職場になり、つらくて去っていく人も出ました。
本来なら、もっと先を考えて、増員し安心して働けるようにすべきだったんですが、最初はそんな事にも気が付きませんでした。
私自身にも余裕がないので、声をかけるような気づかいもできていなかったと思います。事業責任者としてのバランスを完全に欠いていたと反省しています。 一方で、Tさん・B社社長から勧められたのがきっかけでスタートした読書ですが、この頃から自分で選んだ本を読むようになりました。
ビジネス面では、何か知りたい事や迷う事があれば、まず書店に行き、必要な本を探しました。
プライベートでは歴史小説・時代小説・ノンフィクションを手にするようになりました。
具体的には池波正太郎・藤沢周平・司馬遼太郎・山本周五郎・海老沢泰久・沢木耕太郎・山際淳司・新田次郎・城山三郎などです。
この頃、一度だけ岡山で出会ったTさんが私の自宅に来て1泊した事がありました。
Tさんが私の本棚を見て「これ全部お前が買って読んだんだ。よく行き当たったな。」みたいな事を言ってくれたのを覚えています。
成果と組織運営のバランスに悩んだ頃
N社とN社の次に転職したW社で計3回新規事業に挑戦しました。
一つの事業を手がけて5年ほど経過すると、何とか軌道に乗ったと思える状態が作れます。
1回目の失敗から事業拡大と働きやすさのバランスは取るようにしたはずなんですが、迷うときは常に事業拡大を優先したように思います。
どうやら私は事業の成績ばかり気にするケツの穴の小さい人間だったようです。
私の成功など小さな成功にすぎないのですが、それでも一応成功すると役職の階段を上る事になります。
役職が上がれば上がるほど、自分が自分ではなくなって行くような、強い違和感を持ちました。
管理業務や会議が多くなり、自分の手で何かをやる機会が激減します。
事業が成功し組織が大きくなればなるほど、それに反比例して現場から離れて行く寂しさを感じ、次第に「どうやら自分は大きな会社の管理職には向いていないらしい」という気持ちが強くなりました。
仕事がこういう感じでしたから、魅かれた本にもある共通点がありました。
孤独に耐えてトレーニングに打ち込むスポーツ選手、自分の考えを断行した歴史上の人物、新しい道を切り開いた人が何を考え、どう行動したかが描かれている本、逆境の中で運命に抗おうとする人、そういう人達に強烈に惹かれました。
その瞬間瞬間で、本の登場人物からエネルギーをもらい、何とか乗り切って来たというところです。
通算するとN社・W社に約20年在籍し、気づくと私は50歳になっていました。
いつの間にか子供は大きくなり、そろそろ就職する時期を迎えていました。
もっと以前から独立したいという気持ちはありましたが、いつも躊躇してやめていました。自信がなかったんです。
失敗するのが怖くて先延ばししていたわけです。
とうとう50歳になってしまった時、失敗してもいいから、とにかく自分だけでやってみようと決心し、52歳で起業しました。
最初の4年間は、私一人だけの会社でしたが、5年目から少しずつ社員が増え、現在5名の社員が在籍しています。
いろいろな失敗をして来ましたが、今度こそ理想の事業・理想の会社を目指して、日々の仕事を進めています。
働きやすく、やりがいのある会社を作るため、残された時間をどう使うか頭を悩ましているのですが、このブログに掲載する本が私に貴重なアドバイスをくれるものと思っています。
今一番気を付けているのは、社員一人一人が成長を実感できるような職務設計をする事です。売上や利益を上げる事よりも優先すべき事があると、言い聞かせています。
一人一人が仕事に追われないよう、忙しくなるすぎる前にブレーキをかける事も、経営者として大事な仕事です。
最後に本についての私の持論を書いておきます。
自分が答えを渇望して本屋さんに行けば、必ず答えの書いている本を見つける事ができます。
強く望めば望んでいる時ほど、クリアな回答の載っている本に出会います。
逆に表現すれば、具体的に強い疑問を持つことが、まずいい本に出合う出発点だと断言します。
具体的な強い疑問が生まれるまで、まず自分の頭で考え抜けば、必ず道が開けるんだという事ではないかと思います。
ただ漫然と見ているだけでは、疑問は生まれませんし、いい本にも出合えません。
第3期(30歳~50歳)に読んでいた本 ~これがオススメ!~
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ジャンル | 作者 | タイトル | 出版社 |
時代小説 | 池波正太郎 | 真田太平記 | 新潮文庫 |
剣客商売 | 新潮文庫 | ||
藤沢周平 | 蝉しぐれ | 文春文庫 | |
用心棒日月抄 | 新潮文庫 | ||
山本周五郎 | さぶ | 新潮文庫 | |
樅木は残った | 新潮文庫 | ||
歴史小説 | 司馬遼太郎 | 峠 | 新潮文庫 |
遠藤周作 | 海と毒薬 | 新潮文庫 | |
沈黙 | 新潮文庫 | ||
童門冬二 | 小説直江兼続 北の王国 | 集英社文庫 | |
知ってほしい日本人の話 | 城山三郎 | 落日燃ゆ | 新潮文庫 |
男子の本懐 | 新潮文庫 | ||
新田次郎 | アラスカ物語 | 新潮文庫 | |
海老沢泰久 | 美味礼賛 | 文春文庫 | |
F1地上の夢 | 朝日新聞社 | ||
監督 | 文春文庫 | ||
スポーツを題材にした小説・エッセイ | 山際淳一 | スローカーブをもう一休 | 角川文庫 |
江夏の21球 | 角川新書 | ||
沢木耕太郎 | 一瞬の夏 | 新潮文庫 | |
敗れざる者たち | 文春文庫 | ||
エッセイ | 池波正太郎 | 男の作法 | 新潮文庫 |
日曜日の万年筆 | 新潮文庫 | ||
伊丹十三 | 女たちよ | 新潮文庫 | |
小島直記 | 出世を急がぬ男たち | 新潮文庫 | |
ジュール・ヴェルヌ | 80日間世界一周 | 角川文庫 | |
ジョナサン・スィフト | ガリバー旅行記 | 角川文庫 | |
ミステリ | 中村正軌 | 元首の謀判 | 文春文庫 |
天藤真 | 大誘拐 | 創元推理文庫 |
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