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【私が影響を受けた本】おすすめ60選 第3期ー城山三郎・新田次郎・藤沢周平 5シリーズ紹介します!

城山三郎・新田次郎・藤沢周平 

 

第3期(30-50代の管理職時代)によく読んでいた本です。

今回は全部で5冊、城山三郎・新田次郎・藤沢周平の順で紹介します。

 

【私が影響を受けた本】おすすめ60選 第3期 30歳~50歳(N社・W社) 

 

城山三郎

「落日燃ゆ」

 

 

 

 

戦時中32代内閣総理大臣となった広田弘毅氏の伝記小説です。

総理大臣になる前の外相時代から一気に戦争へと突き進む軍部を抑え、何とか戦争を回避しようと試みる広田弘毅氏ですが、彼一人では抑える事ができず、奮闘むなしく太平洋戦争へと進みます。

 

その間、広田氏の人となりは作品の中に細かく描かれているので、ぜひお読みいただきたいと思います。

広田氏について、特筆すべきは、戦後の東京裁判においての彼の対処についてです。

 

彼以外の文人は全て言い訳に終始し、何とか戦犯になるのを逃れようとしますが、広田氏一人だけは一言も弁明をしません。

戦争を止められなかったのは自分の責任だという事で、どんな罰をも受け容れる、という姿勢です。

裁判の間、様々な人から忠告されますが、その姿勢を断固として変えようとしません。

黙して語らず、一貫した広田氏の態度は静かに深く胸を打ちます。

 

最低でも一人は文人の中からA級戦犯を出したいと考えていたGHQは、とうとう広田氏の死刑を決めます。

小説最後に出て来る奥様・お子様の広田氏に向けた言葉には強く胸を打たれます。

 

広田氏のモットーである「自ら計らわね」を体現した清貧さや誠実さ、厳しい局面に向かう際の意志の強さを、同じ日本人として誇りに思います。

この「落日燃ゆ」は海外出張時に何度も読みました。読む度に胸が熱くなりました。

 

 

「男子の本懐」

 

 

 

 

城山三郎氏の作品は、政治家や企業家個人に焦点を当ててその人物をクリアに描こうとされているように思います。

城山氏が取り上げる人物は当然社会的に大きな成果を残した人ばかりですが、そういった人がどんな人柄だったのか、についてを克明に残そうとされています。

 

この「男子の本懐」も同様で、浜口雄幸・井上準之助両名が成し遂げた偉大な功績を示すとともに、お二人の人となりが詳細に記されており、第1次世界大戦終了後の非常事態下、通貨不安に悩む日本経済を立て直すために金本位制を復活させるまでのプロセスを描いた物語です。

 

日本経済を立て直すには金解禁と軍縮司会と決意した浜口氏は、井上氏に蔵相を引き受けてもらうために三顧の礼を尽くします。

最初渋っていた井上氏もとうとう浜口氏の熱意によって蔵相を引き受け、浜口氏と運命を共にする覚悟を決め、日本政治史上に残るゴールデンコンビが誕生します。

 

とっつきにくく寡黙ですが義理人情に厚い浜口氏、スタイリッシュかつクールで弁舌さわやかな井上氏。

一見対照的な二人ですが、深い信頼関係を元に次々と難題を克服して行きます。

この辺の経緯はカッコいいとしか言えません。無念にも改革を進めた二人は反対勢力の凶弾によって倒れます。

この二人の功績には賛否両論あると思いますが、無私・利他という観点から見れば、美しいとしか形容できないのではないかと思います。

 

 

 

                      

 

新田次郎

「アラスカ物語」

 

 

 

アラスカには、<ヤスダ マウンテン>という名の山があるそうです。

この小説を読めば、なぜヤスダの名前がついた山があるのかが理解できます。

 

主人公である安田恭輔は実在した人物です。

1868年に宮城県の医師の家の三男として生まれましたが、15歳の時に生家の没落によって一人で生きて行かなくてはならなくなります。

小説の冒頭に、なぜ安田恭輔がアラスカに住む事になるかが描かれています。

 

この部分も読み応えタップリですが、残念ですが紙面の関係で省略します。ぜひ読んで楽しんでいただきたいと思います。

ポイントバローに住みネピロというエスキモーの女性と結婚した安田恭輔は、フランク ヤスダと名乗りエスキモー社会の近代化に献身的に尽くします。

 

何度か命を落としかけた事もありました。とにかくエスキモーを救うために一生をかけたフランク安田ですが、祈祷師のために村から追放され、また第2次世界大戦の時は捕虜として収容所に入るなど、決して幸せばかりの人生ではなかったようです。

 

しかしフランク安田は自分の事など顧みず、ただエスキモーのために尽力を続けます。

 

1973年にアラスカを訪れた新田次郎氏は、ヤスダとネピロの墓が荒れているのを目の当たりにして、「やりどころのない、不満と悲しみに閉ざされた」と描いておられます。しかし、私は同じ日本人として、フランク安田氏を誇りに思い、何度読んでも熱くなる感情を抑える事ができません。

理屈抜きで「すごいな」と思います。

 

 

 

藤沢周平

「蝉しぐれ」

 

 

 

私が最初にはまった時代小説が、この「蝉しぐれ」です。

藤沢氏の時代小説では定番の海坂藩の話で、主人公は牧文四郎といい、海坂藩の下級武士の倅です。

その牧文四郎と幼馴染のふくとの数奇な運命について描かれています。

 

小説冒頭、文四郎が15歳の時、父親が謀反の罪を着せられ切腹の処分が下ります。その遺体を文四郎一人で運ばなければならなくなりました。

その帰り道通りがかりの人全員が誰も手伝わない中でおふくが後ろから大八車を押すシーンの描写は忘れる事ができません。

その後も謀反人の息子というレッテルを貼られ、白い目で見られ続ける文四郎は、唯一の友達である逸平とともに剣の道に励みます。

 

おふくとの淡い関係も続いて行くのですが、おふくが江戸屋敷に奉公に出る事になり、二人の関係は、そこでいったん途切れます。

その後おふくに思わぬ事が起こり、二人は何の接点もなく別々の人生を歩み、月日が流れます。

 

長い月日がたった後、二人は数奇な運命によって再会を果たします。安っぽい言葉で表現すれば、純愛物語です。

この作品は2010年に映画化され、この映画は見ました。

 

木村佳乃さんの凛とした演技は秀逸でした。市川染五郎さん・緒形拳さん・原田美枝子さんなど、みなさん抑えの効いたいい演技をされていました。

私は30歳を過ぎてから好んで歴史小説や時代小説を読むようになり、純文学は全く手にしなくなりました。そのきっかけになったのが、この「蝉しぐれ」です。

 

 

「用心棒日月抄」

 

 

 

藤沢周平氏独特の<ユーモアが効いた小説群>の中で、私が一番好きな全4冊のシリーズ作品です。

主人公である青江又四郎は、藩の秘事を知ってしまったためにやむなく母親と妻をおいて脱藩し、江戸で浪人生活を送っています。

日々を食つなぐために口入屋(=職業紹介所)からもらった用心棒をやっているというのが基本設定です。

 

この作品は小説新潮の連載小説で毎回毎回様々なところの用心棒をやっていて、いつも何らかの面倒に巻き込まれます。

これにあと2つ別の話が同時進行します。

 

ひとつは、国元の秘密を漏らされては困る勢力が又四郎を暗殺するために刺客を送り込んで来て、その刺客と対決するという側面です。

もうひとつはそれと敵対する勢力が、その秘密の証拠をつかむよう又四郎に指示し、又四郎はその証拠を押さえるために奔走します。

用心棒だけでも大変なのに、刺客と対座し、証拠も探さないといけない、というのが又四郎の置かれた境遇です。

 

設定自体はシリアスなんですが、又四郎の人間臭さが、いいバランスで描かれていて、悲惨さを感じないように工夫されています。

時代設定は違えど、サラリーマンが置かれた状況と同じなので、又四郎が身近にいる友人に思えるという、そんな小説です。

又四郎が江戸の町を歩きながら、ぼやいたり愚痴ったりする姿は、丸々現代のサラリーマンと同じです。

この小説を読むと、誰しもが又四郎と自分を同化するはずです。

 

 

 

 

【私が影響を受けた本】おすすめ60選 過去の記事はこちら!

 

【私が影響を受けた本】おすすめ60選 ~はじめに~

 

【私が影響を受けた本】おすすめ60選 第1期 18~23歳(大学~社会人としてスタートしたB社新入社員時代)

 

【私が影響を受けた本】おすすめ60選 第2期 24~29歳(B社本社勤務~転職したN社)

 

▼城山三郎・新田次郎・藤沢周平を読んでいたのはこの時期です!サラリーマン時代によく読みました。

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